「奴はとんでもないものを盗んでいきました」(銭形警部)…
アニメの永遠の名作と言われるラストの心に残るセリフ。
映画好き、マンガ好き、アニメ好きならこの言葉を聞いたことはあると思います。
宮崎駿監督の初監督作品の「ルパン三世 カリオストロの城」はこのセリフの他に多くの印象深いセリフ、シーンを私たちに残してくれています。
劇場初公開1979年からもうすぐ40年にもなる2017年でも大人気の作品です。
2017年1月20日「ルパン三世 カリオストロの城」MX4D版になり初公開されました。
今回はこのカリオストロの舞台について紹介したいと思います。
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「ルパン三世 カリオストロの城」ロケ地・舞台紹介!モデルはどこ?
引用元:http://ghibli.jpn.org/report/cagliostoro/
序盤のルパンの銭形警部の逃走劇からカリオストロ公国にはいったあとはほぼ全てのシーンがカリオストロ城の内部または周辺で繰り広げられます。
ヨーロッパの片田舎の雰囲気が満載ですのでやはりモデルとなった場所はフランスやイタリアと思って調べてみると…
3箇所ほど候補があがってきました。
そして…驚くことにカリオストロ伯爵というのは実在していて世間を欺く大事件を起こしていたんですね。
「カリオストロの城」ではこの地下の印刷所でゴート紙幣と呼ばれる「偽札」を作っていました。
この偽札の精巧な製造技術でヨーロッパの小国ながらウラで世界を動かす力を持っていたとか。
だからこの力を得るためにクラリスと無理やり結婚しようと、カリオストロ伯爵が画策していたのでしょう。
さて、その「カリオストロの城」のモデルは3つほどあると言われています。
順に説明してきますね。
「ルパン三世 カリオストロの城」ロケ地・舞台紹介!空から観た風景があのシーンに!
世界遺産に登録されている「モン・サン・ミッシェル(とその湾)」。
上記の画像は潮が引いて砂浜が見えている場面です。
これ、「カリオストロの城」のラストの方で湖面の水がひいてしまって古代の建築物が見えた状況と似ていませんか?
カリオストロに伝わる宝とはこの「古代の建造物」だったのです。
金塊や宝石といった俗世間的なものでなく、人類に等しく与えられる建築遺産とその自然とが織りなす風景だったんですね。
引用元:http://blog.livedoor.jp/amadeus_leeter/archives/17326801.html
さて、この世界遺産であるモン・サン・ミッシェルはフランスの北西部にあります。
フランスから車で4時間ほどかかります。
この島の周りは海でかつては満潮時になると対岸まで通じている道路が隠れていたそうです。
それもそのはず、満潮と干潮の差は15m以上にも及んでいたとか。
観光客も多くなり、また島の修道院が完全に隔離されてしまうので道路をつくったそうです。
モン・サン・ミッシェル修道院はヨーロッパの中でも有名で「聖地巡礼の旅」で訪れる人がとても多いそうです。
引用元:http://yuuma7.com/%E6%B5%B7%E3%81%AB%E6%B5%AE%E3%81%8B%E3%81%B6%E5%B7%A1%E7%A4%BC%E5%9C%B0%E3%81%8B%E3%82%89%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%9C%80%E5%A4%A7%E3%81%AE%E8%A6%B3%E5%85%89%E5%9C%B0%E3%81%B8%EF%BD%9E/
春から秋にかけてはいついっても混んでいて、特にバカンスシーズンの夏の間はヨーロッパ以外からの観光客も多いそうです。
もし日本から行くのならオフシーズンの冬、12月~2月が良さそうです。
また、陸続きの道路の建設で潮の流れが変わったり、土砂の堆積のスピードが進みました。
このことから1877年に作られた道路は2009年に取り壊され、2014年に橋が完成しました。
<グーグルマップ>
「ルパン三世 カリオストロの城」ロケ地・舞台紹介!リヒテンシュタイン城
引用元:https://welove.expedia.co.jp/destination/europe/germany/7459/
アニメのカリオストロ城ではクラリスが幽閉されていた「尖塔」があります。
ここには峰不二子やルパンが潜り込んでいます。
上記の画像をみると、この尖塔はカリオストロ城の尖塔そのままですね。
断崖絶壁にあり、逃げようとしてここから塔の外にでればすぐに生命を落としそうです。
映画での峰不二子はクラリス付きのお手伝いだったのですが正体がバレてハンググライダーで逃走を図りました。
また、ルパンは急角度の屋根をそのまま走り抜くというアニメ史上最大の逃走劇を繰り広げてくれました。
さて、この実在するお城は「リヒテンシュタイン城」。
ドイツのシュツットガルトからさらにロイトリンゲン駅まで移動してそこからバスで約30分、山道を1.5kmほど徒歩で移動しなければならないようです。
このリヒテンシュタイン城は尖塔の他に、城内には隠し部屋がいくつもあるそうです。
地下室もあるらしく見学の際にはガイドがついていないと入れないそうです。
逆にガイドがいなくて自由に回ると開けてはいけない扉を開けてしまうからかも…ですね。
引用元:http://www2s.biglobe.ne.jp/~t-ohashi/worldspots/licht.html
このリヒテンシュタイン城があるところは実は小さいながらも「リヒテンシュタイン公国」という立派な君主制国家。
スイスとオーストリアに挟まれています。
世界で6番目に小さい国なんだそうです。
永世中立国でもあり、軍隊を持たないので防衛はスイスが担当しているそうです。
この「リヒテンシュタイン公国」は大きな産業がないために印刷技術を活かして「切手」の製作と観光産業でなりたっているそうです。
この精巧な印刷技術というところにヒントを得て、カリオストロ公国のモデルにしたのでしょうか。
また、公国を統括するリヒテンシュタイン家は莫大な資産を持っていて、国自体がタックスヘイブンなんです。
ですから、多くの企業が免税目的でペーパーカンパニーを置いているため、非常に豊かな国です。
国民には所得税などの直接税がなく豊かな生活をしているというのも「カリオストロの城」に通じるところがありますね。
<グーグルマップ>
「ルパン三世 カリオストロの城」ロケ地・舞台紹介!イタリアのサン・レオ城
引用元:https://matome.naver.jp/odai/2142752634470719501/2142753528078823603
のどかな山間の風景がひろがるイタリアのサン・レオの町。
その町を見下ろす山の頂上にサン・レオ城は建っています。
こちらのお城の外観というよりは中がカリオストロの城のモデルになったと言われる理由なですが…
3世紀に築城されたこのお城、1631年にはお城から牢獄へと役目を変えることになります。
牢獄といってもただ、犯罪人を閉じ込めるだけではないのです。
洞窟のような大きな部屋の天井の穴から吊り下げられたりしたのです。
しかも天井の穴以外は出入り口がないのです。
「カリオストロの城」では確か、ルパンが地下に落とされて天井から吊り下げられたかつての侵入者や下水に横たわる日本人兵の遺体がありましたね。
規模は違いますがこのサン・レモ城の内部をみてストーリに結びつけてのかもしれませんね。
そして、驚くことにこのサン・レオ城には「カリオストロ伯爵」が投獄されこの城の中で死んでいるのです。
この伯爵は本物の伯爵ではなく、普通の人だったそうです。
しかし、頭のキレの良さと立ち振舞いで上流階級にうまく取り込み、最終的にはあのマリー・アントワネットにまで近づいています。
結局、マリー・アントワネットの「首飾り事件」に絡んで失脚、別件で捕らえられてしまい、このサン・レモの刑務所に幽閉されることとなりました。
アレッサンドロ・ディ・カリオストロというのがカリオストロ伯爵の本名です。
この数奇な運命とサン・レオ城の内部を見学してカリオストロの城の原案ができあがったのかもしれませんね。
サン・レオは牢獄として1906年まで利用された後、博物館と美術館になりました。
武器の展示や牢獄内の様子を見学したりできます。
カリオストロの遺品も残されているとのことです。
<グーグルマップ>
まとめ:いつかいってみたい、モン・サン・ミッシェルとサン・レオ
引用元:http://cranegame.net/archives/3754
今回、カリオストロ城のモデルを調べてみるとあまり知られていないようなことがわかりました。
世界遺産のモン・サン・ミッシェルやサン・レモ城、実在したカリオストロ伯爵のことはアニメファンならよく知っていることです。
しかし、サン・レモ城の建築から牢獄、博物館にいたるいきさつ、リヒテンシュタイン城がカリオストロ公国のモデルにまでなっていそうなことなどあまり知られていないことです。
モン・サン・ミッシェルとサン・レモはいつか行きたい場所でしたがこれに加えて小さな国であるリヒテンシュタインにも行きたくなりました。
行く前には「ルパン三世 カリオストロの城」をもう1回観ていきます。